
夕飯を終えて、部屋に戻り明日のしたくなどしていると、インターフォンがなりました。
「まつきよさま、お客様が玄関にお見えになっています」
えっ? きゃく、誰? まったく思いあたるふしがなく、動揺しながら急いで玄関に行きました。
大きな身体を小さくして待っていてくれたのは、○○○さん。
さきほど、石屋さんが作ってくださったとおぼしき、休憩所で話をした青年でした。
さっき私が、「松山市は初めてなので、勉強のため市内を見てまわろうと思っている」と
話したので、彼は親切にも
観光案内のパンフレットや地図を持ってきてくれたのです。
それだけではなく、さっき一緒に撮った
写真はもうプリントして、
それから名物なのでしょう「
ぼっちゃん団子」まで渡してくれるのです!
そういえば、今夜はどこに泊まる予定なのか聞かれはしましたが、
このような考えがあってのこととは、想像もしていませんでした。
彼は、私が驚きでも確実に喜んでいることを見ると
照れくさいのか、すぐ帰って行きます。
私は駐車場まで彼を追いかけて、もう一度お礼を言いました。
彼はヘルメットの中から笑顔をかえしてくれました。
私は、彼の50ccが見えなくなるまでお見送りをしました。
赤いテールランプが見えなくなって、エンジン音も聞こえなくなって、
それでも私はしばらくそこから動けませんでした。